砂日記ばーじょん2.0

IT関連の仕事中に浮かんできたポエムとか読んだ本の感想とか書いていきます。

教育界のえらい大人が吹奏楽部はブラックという差別意識を広め始めたのですべての吹奏楽部の未来がブラック

はじめに

これは吹奏楽部がブラック部活であることを肯定・否定する話ではありません。
部活動の範疇を超えた長時間活動の是正や顧問の負荷軽減に反対する話でもありません。

まとめると、
学校リスク研究所という活動を行っている内田良さん@RyoUchida_RIRISという拡散力の高い有識者が「吹奏楽部はブラック部活動」と喧伝する

(いまここ)他の教育者や吹奏楽部員保護者や吹奏楽部OBOG各々が吹奏楽部ブラックエピソードを語りだし、それを読んだ人から「吹奏楽部はブラックだから何とかせねば」という声が上がる

ニュースや新聞で取り上げられ、吹奏楽部と関わりの薄い生徒や保護者に「吹奏楽部はブラック」という認識が広まる

吹奏楽部はブラック」という差別意識により生徒が「吹奏楽部はブラックだから入部しない」と言うようになる。保護者も子どもが吹奏楽部に入ろうとすると反対するようになる
という予測の話です。

記事を書くことになったきっかけ

これを最初に目にした時は「吹奏楽部がブラックかー。確かにそう見える一面もあるし、今の時代の流れを感じるなー」くらいに捉えたのですが、内田さんの吹奏楽部に対する発言を過去から追っていくうちに、内田さんは部活動改革というものを達成するために吹奏楽部のネガティブイメージを利用して世論を盛り上げようとしているのが見えてきました。

内田さんの吹奏楽部に対する意見ツイートは web版のTwitterで「from:RyoUchida_RIRIS 吹奏楽」などと検索すると拾えます。
気になったところを引用します。

「炎天下で演奏する吹奏楽部は熱中症のリスクが高くて危険だから演奏させない方がいい」という主張は暴論では・・・。
「小学生は背が低く溺れやすいから海やプールで遊ぶのを禁止した方がいい」と言っているようなものです。
負担が大きいのはその通りですが、なぜ吹奏楽部が活動を制限しなければいけないのでしょうか。
あと、応援団も炎天下の中で学ランを着込んで声を枯らして叫んでいて吹奏楽部と同等かそれ以上に熱中症のリスクが高いと思うのですが、なぜ吹奏楽部だけなのでしょうか。

リンク先を見ると、「淀川工科高等学校の吹奏楽部のドキュメンタリーに対する違和感」という、学校名が含まれたタイトルになっていますが、内田さんはわざわざ学校名を削って紹介しています。個別の学校名を自身のツイートに出したくなかったのでしょうか。
また、「読むべきは、コメント欄です。」と書き、具体的に長大なコメント欄の中のどの辺を闇と感じたのか明言していませんが、前後のツイートから察するに、「生徒が講師にパワハラともとれる暴言を吐かれたり長時間練習を強制されているにも関わらず、講師に従順についていく生徒とそれを支持するOBOGたちの姿」が闇といったところでしょうか(私の考えではありません。淀川工科行動学校吹奏楽部の活動について個人的な意見や感想はありません)
リンク先で紹介されている淀川工科高等学校は全国大会で毎年金賞を受賞する強豪校であり、程度に差はありますが、同等のレベルで過酷な練習や規律の下で活動している吹奏楽部はそうそうありません。
特別で極端な事例を出して「吹奏楽部は闇を持っている」というのは主語が大きすぎます。
吹奏楽に疎い人が読めば、吹奏楽部はみんなこうなのか、と誤解する恐れがあります。
それとも、読者に誤解を与えるためにあえて学校名を削り、「吹奏楽部のドキュメンタリーに対する違和感」と表したのでしょうか。

吹奏楽部の今後について

挙げるとキリがないので止めにしますが、内田さんの一連の発言は、一見すると吹奏楽部の過酷な環境を憂いて改善しようとしているようにうかがえます。
実際、体育会系に劣らない練習量、宗教に例えられるような価値観の統一、顧問や部員の長時間の拘束を改善したいと心から思っていらっしゃるのだと思います。
そして実現に向けて様々な活動をしていることは本当に素晴らしいと思います。
しかし、内田さんが吹奏楽部に対して実質的に行っていることは吹奏楽部のネガティブキャンペーンです。
吹奏楽部はブラックというイメージを世間に広め、吹奏楽部はかわいそうという世論を高めることで、部活動の在り方を改革しようというやり方です。

内田さんは個々のブラック的事例や体験談を「〇〇高校の吹奏楽部」「某吹奏楽部」という言い方はせずに、「吹奏楽部の話」として紹介しています。
ある個別に扱われるべきマイナスイメージを特定のカテゴリ全体に当てはめて世間に広めること。それは差別意識の助長であると私は思います。

差別を実践するのは内田さんや今ブラック部活動を問題視している方たちではありません。吹奏楽部に無知な生徒や、その保護者です。
世間に広まった「吹奏楽部はブラック」というイメージによって「吹奏楽部はブラックだから入部しない方がいい」「子どもが吹奏楽部に入りたいといったが、ブラックなのでやめさせた」という話が増えていくと予想します。
学校の生徒と吹奏楽部に出会う機会が失われていくのです。

おそらく、内田さんの望むように、今後部活動の在り方は変わっていきます。
働き方改革が叫ばれ、ライフワークバランスが見直されてきている時代の流れに沿って、部活動の在り方も見直されていくと思います。
繰り返し述べますが、本記事は部活動の在り方の見直しに反対するものではありません。
しかしその部活動改革は、吹奏楽部への差別意識を以て達成されるのだろうと感じています。
最も、今後の話なので、実際にどうなるかは断定できません。
部活動改革よりもブラック教員、ブラック顧問を救うための教員職場改革の方が一歩先に進んでおり、メディアを通じて教職がブラックという認識が大分世間に浸透してきたので、それによって将来教職に就きたいと考える学生が減るのかどうか、答えを先に見せてくれると思います。

主観とか、感情的な話

・・・はできるだけ排除して書いたつもりです。
が、やはりいろいろ吐き出したいことはあるので、別記事にしました。
書いているうちに学生時代の黒歴史の記憶が何度もよみがえり血反吐吐きながら書いた駄文ですが、よろしければどうぞ。 「教育界のえらい大人が吹奏楽部はブラックという差別意識を広め始めたのですべての吹奏楽部の未来がブラック」のあとがき